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2010年9月 6日
低侵襲で高い予防効果をもたらすGBT
GBT(ガイデッド・バイオフィルム・セラピー)は、従来の予防処置に比べ、エアフローを活用することで、低侵襲でより高い予防効果をもたらす予防システムです。
超微細のパウダーと水を噴射してお口の中のクリーニングを行います。歯を傷つける事なくバイオフィルムや歯石除去が可能です。また、細菌や着色の再沈着が少なく、治療時間が短くて済むのも特徴です。
バイオフィルムとは
細菌が作り出す粘着力の強い膜です。本来、お口の中の細菌は唾液で流されるものですが、バイオフィルムが一度できるとその中で細菌が繁殖してしまいます。これが虫歯の原因になっています。
GBTでは、歯のすみずみまで染め出し剤を塗ることでバイオフィルムの付着が明視化されて、正確に除去ができます。
エアフローの専用パウダー
エアフローで使用する専用パウダーは、エリスリトールという天然の糖アルコールで、非う蝕性の甘味料です。
とても微細な粒子なので、歯や歯ぐきを傷付けずにやさしくクリーニング可能です。
従来の治療法との違い
従来の手用器具での歯石除去は歯面やインプラント補綴に傷がつく事がありました。また回転式ラバーカップやブラシを用いた歯面研磨は時間がかかる上に、エナメル質表面に新たな傷をつける事になる上に、完全にバイオフィルムが除去できていない事がわかっております。
まずエアフローを行うことで、短時間にバイオフィルム、ステインの除去が可能になり、残りの歯石が見やすくなりスマートピエゾンのピエゾンチップで歯石除去が簡単になります。エアフローパウダープラスによる歯面清掃は、エナメル質表面に傷をつけずにバイオフィルムを除去が可能です。
GBTの目的
GBTの目的は、歯面上のバイオフィルムを除去することです。歯肉炎、歯周病の治療:染め出しにより可視化されたバイオフィルムを認識してもらい、除去後の比較から正しい歯磨きへのやる気を引き出します。
う蝕検出:バイオフィルムの除去後に歯面を確認することで、う蝕の正確な発見につながります。
インプラント:インプラント周囲のバイオフィルムを除去することで、インプラント周囲炎の進行を遅らせます。
矯正:矯正器具周囲はバイオフィルムの除去が困難です。エアフローを使用する事で矯正器具周囲のう蝕や歯肉炎の発生原因を除去します。
ステイン:従来法では歯面に傷がつきやすく、容易にステインの再発が起こりました。エアフローは歯面に傷をつけない事で、ステインの再発を遅らせます。
エアフロープロフィラキシスマスターを利用した予防歯科
当院で導入しているエアフロー プロフィラキシス マスターは、予防先進国のスイスEMS社が「Guided Biofilm Therapy」に基づいて開発した機種です。虫歯や歯周病の予防・メインテナンスに使用しており、GBTの3つのコア治療(歯肉縁上縁下のエアフロー、歯肉縁下のペリオフロー、スマートピエゾンとPSチップによるスケーリング)に対応しています。
エアフロー+超微細ウォーター
スプレーの噴射により、専用パウダーを歯に優しく吹きつけ、色素沈着やプラーク(歯垢)を除去します。
ペリオフローノズル+プラスパウダー
エアフローでは届かない深い歯周ポケットに付着しているバイオフィルムを除去します。
スマートピエゾンによるスケーリング
スマートピエゾンは、負荷に応じてパワー出力を最適に調整するため、従来よりも優しい歯石の除去が可能となりました。
GBTの流れ
STEP.1 口腔内の診査「問診」「歯周ポケット測定」「レントゲン」「歯肉の状態」等の検査をします。
STEP.2 バイオフィルムの染出し
バイオフィルムを色素で染色する「染め出し剤」を歯の隅々に塗布し、明視化してから除去します。
STEP.3 情報提供
予防歯科の必要性について患者さんに分かりやすくお話しします。
歯ブラシや正しいブラッシング法などの歯の予防法を歯科衛生士が説明します。
STEP.4 歯肉縁上・縁下のエアフロー
バイオフィルムや早期歯石、ステイン(着色汚れ)を除去します。
除去には「エアフローパウダープラス」と言う、超微細粒子のアミノ酸パウダーを使用するので、歯を傷つける事もなく生体にも安全です。
STEP.5 歯肉縁下のペリオフロー
エアフローでは届かない、深い歯周ポケットに付着しているバイオフィルムを、特殊なノズルで除去します。
STEP.6 残った歯石の除去
侵襲をできるだけ抑えた超音波機器で、優しく歯石除去します。
STEP.7 最終確認
歯石やバイオフィルムが残っていないか最終チェックしたのちに、虫歯予防の為に歯の表面にフッ素を塗布します。
STEP.8 今後のメンテナンスの予約
3〜4ヶ月ごとに来院をしていただくことを推奨します。